こんにちは。
司法書士の村田です。
「親が認知症になったけれど、銀行のお金を動かせない」
「施設に入ることになったが、自宅を売却できない」
「親のお金を誰が管理すればいいのか分からない」
成年後見についてご相談を受けると、このような悩みをお聞きすることがあります。
成年後見制度という言葉は知っていても、「実際に利用すると何が変わるのか」「成年後見人は何をしてくれるのか」は分かりにくいものです。
私は司法書士として、これまで100件以上の成年後見等の案件に実際に後見人等として関わってきました。
今回は、成年後見の現場で実際によくある相談をもとに、制度を利用する場面について解説します。
1 認知症になった親の預金を管理したい
最も多い相談の一つが、親の預金管理に関するものです。
認知症などによって本人の判断能力が低下すると、金融機関からご本人の財産を守るため、一定の手続きが必要になる場合があります。
「親のお金なのだから、子どもが代わりに使えばいい」というわけにはいきません。
ご本人の財産を適切に管理するため、成年後見制度の利用が必要になるケースがあります。
2 親の自宅を売却したい
本人が施設に入所し、誰も住まなくなった自宅。
そのまま維持するにも固定資産税や管理費などがかかります。
しかし、所有者ご本人の判断能力が低下している場合、通常の売買手続きだけでは進められないことがあります。
ただし、誤解をしてはいけないのが、成年後見制度を利用すれば必ず売却できる、といった認識は危険です。
成年後見人等がご本人の生活や財産状況を踏まえて売却を検討し、家庭裁判所の許可を得て売却することになりますので、100%売却が可能というわけではなりません。
3 施設費を本人の財産から支払いたい
施設に入所すると、毎月一定の費用が必要になります。
ご本人に十分な預貯金がある場合、その財産から施設費を支払うことが考えられます。
成年後見人等は、ご本人の財産を管理し、必要な支出を行います。
4 親族が財産を管理することに不安がある
親族の中で、「誰が財産を管理するのか」、という問題が生じることもあります。
特に兄弟姉妹が複数いる場合、「長男に任せて大丈夫なのか」「他の兄弟に説明した方がいいのか」といった問題が出てくることがあります。
成年後見制度では、ご本人の財産を本人のために管理するという基本的な考え方が重要になります。
成年後見は「家族のため」ではなく「ご本人のため」の制度、成年後見制度を考えるとき、最も大切なのは、「ご本人にとって何が必要なのか」という視点です。
家族にとって便利だから利用する制度ではありません。
ご本人の財産や権利を守り、ご本人の生活や利益のために必要な支援を行う制度です。
・まとめとして
成年後見の相談は、ご家庭によって事情が大きく異なります。
「認知症になったから成年後見」という単純な話ではなく、
預貯金
不動産
施設入所
財産管理
親族関係
今後の生活
などを総合的に考える必要があります。
「成年後見を利用した方がいいのか分からない」という段階でも構いません。
まずは現在の状況を整理して、専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では、100件以上の成年後見を経験した司法書士が、成年後見に関するご相談をお受けしています。
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村田浩一