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    • 成年後見制度適正化法

    • 2019年06月14日

    こんにちは。
    司法書士の村田です。

    先日、参議院本会議において、成年後見制度適正化法が全会一致で可決成立しました。

    現行の法律では、各法律に成年被後見人等になった場合は欠格事由に該当し、資格や地位が自動的に失われてしまう旨が定めてあります。
    例えば会社法では、被後見人、被保佐人が欠格条項として規定されています。

    今後は成年後見制度を利用している事が欠格事由に該当する旨の条項は原則として削除され、個別に審査する方式になるようです。

    例えば会社法における役員の欠格条項が削除されれば、商業登記の役員就任登記の添付書面に変更があるのかも知れません。

    また、就業規則や採用規則等において、被後見人、被保佐人について欠格事由等を定めてあるものが多いと思いますので、何らかの影響があるのかな、なんて考えてみました。

    役員として登記されている方が被後見人になった場合、後見人が被後見人さんの役員継続の意思確認を行い、後見人が就任承諾書を書くのか?

    なかなか無いケースだと思いますが、被後見人さんが非取締役会設置会社の取締役に新たに就任する場合、被後見人さんの印鑑証明書は発行されないけど、商業登記規則61条の印鑑証明書はどうなるのかな、なんて頭の体操をしてみました。

    法改正が、成年後見制度の利用をためらっていた方の制度利用への後押しになれば、と思います。

    村田浩一