こんにちは。
司法書士の村田です。
今日は、相続放棄の話を。
相続放棄申立は、一般的に下記の流れで進みます。
①相続放棄申述申立書の提出(期限:自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内 申立先:被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所)
②家庭裁判所から申述人への照会書の送付
③申述人から家庭裁判所への照会書の期限内の返送
④相続放棄申述の受理
⑤家庭裁判所から申述人への相続放棄申述受理通知書の送付
(手続自体は終了)
⑥相続放棄申述受理証明書の取得
(取得しておいた方が今後の手続上望ましいと思います)
となります。
先日のこと。
某県の家庭裁判所に提出する相続放棄申述申立書作成のご依頼がありました。
書類を作成し、納付郵券を調べたところ、その家庭裁判所では、3ヵ月以内の申立で、かつ、申述人の印鑑証明書を添付するか否かによって、納付郵券に違いがありました。
裁判所に確認したところ、当地の家庭裁判所では、印鑑証明書を添付すれば、上記②の照会書の手続きは原則として省略される、という取り扱いの様でした。
民事訴訟における二段の推定を適用しているのかな、と思います。
依頼者さんに上記の違いをご説明し、印鑑証明書を添付しての申立となりました。
実際、照会手続きは省略され、申述書郵送後程なくして依頼者さんの元に相続放棄申述受理通知書が送付された様でした。
所変われば運用も変わる。
例えば、鳥取家庭裁判所の場合は、印鑑証明書の添付の有無によって手続きに相違はないですし、そもそも印鑑証明書は添付書類として規定されていません。
私自身が成年後見人、補助人として相続放棄申述申立を行った際も、例外無く照会書が私の事務所に送付されてきました。
どうして成年後見人、補助人として、と書いたかと言いますと、成年後見人等として相続放棄等行う際は、事前に書面で家庭裁判所に照会した上で手続きを行うため、当然家庭裁判所も私が法定代理人として相続放棄申述する事は承知しています。
従って、事前照会を含め家庭裁判所には2回書類を提出するのです。
しかしながら、そもそも照会手続が省略されるという運用がなされることがある、という事は考えてもみなかったので、至って普通に上記の照会書を返送し、相続放棄しました。
ところで、二段の推定。
100時間研修が懐かしい今日この頃です。
村田浩一